私の心の中に、そこまで深くは染み渡ってなかった那智の存在。
なのにいつの間にか、
その笑顔と
その髪と
その華奢な背中と
一秒でも長くいたいと思うようになってた。
「沙月最近、どう?」
「え?」
「こないだ言ってたじゃん、肘悪いって」
ああそういえば…なんて返しながら、ふと肘に触れてきた那智に思わず目をぎゅっとつぶる。
「日頃の行い悪いしなぁ…バチが当たったのかも(笑)」
それを誤魔化すように、笑いながら言ってみると、那智は私の肩を掴んだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…