花色の月


「瓶の牛乳じゃねぇのか?」


「…フルーツオレ派です」


「俺はコーヒー牛乳かなぁ。風呂上がりに飲むと何でかメチャクチャ上手いんだよなぁ」



…牛乳じゃないんですか。

くだらない事を話していると、涼しい夜風にだんだん頭がハッキリしてくる。

…なんで、あたしこの人と話してんだっけ?



「なぁ、歌ってくんねぇかなぁ?」


「はぁ?」


「他には誰も聞いてねぇよ。ここ客室から遠いし、桜介やばあちゃんにも聞こえねぇだろ?」


そう、桜ちゃんとおばあ様はしばらく言い争いをしていて、桜ちゃんは荒々しく何処かへ行ってしまった。
おばあ様は自室に引き上げたけれど、ここからは少し離れているし、音量を絞ればあまり聞こえない筈…?



「……散歩しながらなら…」


なんで承諾してしまったのか…
口に出して直ぐに、後悔した。