お祭りが終わり、どこか気の抜けたような空気が漂う中。

あたしと明美ちゃんは、大福と煎茶を片手に夕闇が包み始めた裏庭を眺めていた。



「ねぇ……武さんとはどうなの?」


「なんや今頃。もう聞いて来んのかと思っとった」



だって、お祭りからしばらくは忙しくて、二人でまったりする時間も取れなかったんだもん。

那月さんにもちょっと面倒な仕事が入ったとかで、あのお祭りの次の日から会えていない。

いや……あたしが忙しいのもあるんだけど。



「あの浴衣は武さんから?」


「そっ、光やと思ってたんやろ?」


「うん……だから、ビックリしちゃった」



お祭りで、武さんと一緒にいる明美ちゃんを見て、声も掛けれなかった位には動揺していた。


「でも、それだけ。お祭りに一緒に行っただけなんよ」


「それだけ?」


「どうこうなる気も、多分お互いに無いしなぁ」



そう言って、庭に視線を向ける明美ちゃんは、あたしの知らない女の顔をしていた。




無いなら、なんでそんな行動に武さんは出たんだろう。

後ろから見ただけだけど、二人の空気は穏やかで素敵だったんだけど。



「そっか……年も離れてるしね…?」



武さんは、明美ちゃんのお父さんでもおかしくない年令だもん。

恋愛対象として見れないのも当たり前だよね。