花色の月


「逆ナンされまくって嬉しそうにしやがって!」


「いやいや、俺がしてくれって頼んでる訳じゃねぇしなぁ?」



困った顔を作ってるつもりなのかも知れないけど、知花さまの口元は嬉しそうに緩んでいる。



「ふんっ!たらし色を醸し出してるからだよ!」


怒ったように口を尖らせて桜ちゃんが言った言葉は……?



「……からし色?」


知花さまはもっと派手な色じゃない?


「けっこう地味な色ですね?」



クスクス笑いながらあたしに合わせる那月さんは、たぶん桜ちゃんの言葉が聞こえてた筈。



「外野は黙ってろって!」


「あっ、花乃を外野呼ばわりしてますよ?」



茶化すように眉を上げる那月さんに合わせて、那月さんの腕の中に顔を隠しながら寂しげな声を出した。



「なんか悲しい……」



だって、顔は笑ってるから隠さないとね?



「か、花乃の事じゃないから!えっと…」


「こら、二人して桜介からかわないでくれよぉ」



あら?知花さまにはバレてたみたい。
だって、桜ちゃんが可愛いから。