花色の月


「なっ、なにを言ってるんですか!花乃がこの世に居なかったら、生きている意味が無いんですよ?桜介なんて居なくなっても気が付きもしませんよ……小さくて」


「ちょっと聞こえてんだけど!」



那月さん、桜ちゃんを煽んないで下さい……

それに、あたしのが桜ちゃんより小さいんですけど?分かってます?



「花乃なら、手乗りサイズでも簡単に見つけられますよ。
……いっそそれ位の方がいつでも連れ歩けて……。あぁ、でもそのサイズだとあんな事やこんな事がぁ……ングッ!」



背伸びして那月さんの口にりんご飴をねじ込むと、ベーッと舌を出して桜ちゃん達の方に走っていった。

ふて腐れたままだった桜ちゃんは、あたしが駆け寄ると腕を広げてギューっと抱き締める。



「花乃、男の趣味悪いんじゃない?」


「桜ちゃんこそ、あんな歩くフェロモンと居たら大変ね?」


「フフッ、言うようになったじゃん?
まぁ、那月も大差ないと思うけど」



確かに……
振り返った視界に映るのは、無駄に色気を振り撒く長身な二人。

あたしのりんご飴をガリッと大きくかじったのは、何故か知花さま。

あっ、那月さんに容赦なく頬をつねられてる。


賑やかなお祭りの風景が、まるで二人の為の背景みたいだ。

和風の美丈夫と、洋風の男前ってところかしら?

あっ、でも……硬派からは程遠いかな。




「……絵になるよね」