りんご飴をくわえた花乃が、わた飴を片手にもぐもぐしているのは、見ているだけで癒されますね。
「花乃、糖分以外も取らないとダメですよ」
「ん~……」
堪能してるんですね。
その赤く染まった舌をいじめてみたいと思ってる事はおくびにも出さずに、たこ焼きを楊枝に刺して差し出した。
「あつ……!」
いきなり口を開けて、りんご飴を落としそうになった花乃が、一点を見つめて固まっています。
私も花乃の見ている方に視線を向けると、確かに驚いたのも頷けました。
微笑み合いながら浴衣姿で歩くのは、明美さんと……武さんでした。
光の代打って雰囲気ではなく、距離こそ恋人にしては離れていても、穏やかな空気が二人の間に通っている事は見てとれます。
「光さん……じゃなかったんだね」
「驚きましたね」
愛しい人を無くした者同士で、何か分かり合う事があるのかも知れません。
ちょっと聞いてみたそうな顔をする花乃も、声を掛けようとはしませんでした。
二人の空気を、壊してしまうのは勿体ないと思ったんでしょう。
「光さんちょっと可哀想……」
まぁ、光は元はと言えば貴女に焦がれていましたからね。
そんな事言葉になんてしませんけれど、今度会ったら少しだけ労ってやろうかと思いました。
……それにしても、父親程も年が離れているんじゃ無いですかね?
「なぁに二人で固まってんだぁ?」
