「それにしても賑やかですね。生のお祭りって初めてです」
「えぇっ!?お祭り行ったことないの?」
「えぇ、人が多い所には、極力足を踏み入れ無いようにしていたので」
それは流石に勿体ないと思う。
こんなに浴衣が似合う人そう居ないって言うのに。
「さて、なんかお腹が空く匂いがしますね?」
「フフッ、那月さんは何食べる?あたしは綿飴かなぁ」
「花乃、一握りのザラメではお腹は膨れませんよ」
直ぐ脇で綿飴屋さんが、ざらりとザラメを機械に入れて、ふわふわになった飴をくるくると巻き取っている。
「じゃあ、たこ焼き?焼きそば、お好み焼き……?」
「………」
「どうしたの?」
急に黙ってしまった那月さんを見上げると、さらりと髪の毛をかき上げて口を開いた。
「たこ焼き食べたこと無いって言ったら笑いますか?」
「えぇっ!?それはぜひ食べてみなきゃね。明美ちゃんなんてマイたこ焼き器持ってるよ?」
「それは、流石ですね」
たまに食べたくなるんだと、部屋でくるくるたこ焼きをひっくり返していたのを思い出して少し頬が緩んだ。
「あっ、花乃思い出し笑いをする人は……」
「もう!余計な事は知ってるんですね!」
「そりゃあそうですよ。一風変わってますが、健康な男ですから?」
