花色の月


「ねぇねぇ、俺の存在忘れてませーん?」


「まだ居たんですか?服の中にこれを突っ込みますよ?」


蛙の足を掴んでプラプラと揺らしながら、淡々とお兄ちゃんをいじめている。

真っ青になったお兄ちゃんは、だいぶ蛙が苦手な様だ。



「そ、それだけは止めようね?ね?」


「偽物ではご不満ですか?では、庭から本物を……」


「勘弁してーっ!!」


那月さん、それじゃあ知花さまと一緒ですよ……

そう言えば、なんでお兄ちゃん来たんだっけ?


すっかり浴衣に気を取られて、お兄ちゃんがなんでここに居るのかっていう事を聞くのを忘れていた。


「えっと、何か……あったんですか?」


「お兄ちゃんって呼んでよー!だって花乃ちゃん沢山メールしてもたまにしか返ってこないし、お兄ちゃん寂しくなっちゃった」


ペロッと舌を出しているけど、可愛くないですよ?

だって……1日に何通も来るんだもん……正直めんどくさくて……



「さて、裏山に埋められる覚悟は出来ましたか?」