花色の月


「長かったね?」


「いつまで待たせんねん」


明美さんは、小さくあくびをすると、光に牛乳瓶を渡してそのまま連れ去ってしまった。

花乃も、小さな手に握っていた牛乳瓶を渡してくれる。



「少し、温まっちゃったかも…」


「いいえ、お待たせしてすみません」



それに、花乃の体温は低いので、あんまり心配はしてないんですけどね。

しかし、一口飲んだ珈琲牛乳は、だいぶ常温に近くなっていた。

……相当待たせてしまったみたいですね?




「…では」


帰りたくないですけど、帰りますね?

花乃を抱き寄せて、少し眠そうな瞼にキスをする。


「あのね、小桜の間にお布団用意したから……」


「いいですか?」


「うん、楓ちゃんも待ってるよ?」


「はい?客室に猫を入れても良いんですか?」



確か小桜の間と言うのは、十夢が長々占領してた部屋だった気がするんですが…



「あのね、知花さまの所にモモが遊びに行っちゃってたから……普通のお客さまは泊めれなくなっちゃったの」


「それは、困った客ですね」


「あっ、知花さまが悪いんじゃなくて、モモがなついちゃって…」



花乃が慌てて十夢を庇おうとする姿が気に入らなくて、その唇を塞いでしまった。

私の浴衣の襟を握って、甘い吐息を漏らす花乃に、火を付けられる。

そのまま苦しそうに胸を叩かれるまで、花乃の口内を思う存分堪能させてもらいました。