花色の月


途中、月の原の祠に寄った。


…どうか、花乃の元にお導き下さい。

雪乃さん、どうか……花乃の場所を教えて下さい。


手を合わせると、また道を下る。

流れ落ちる雨に、夜目が利く筈の私ですら、たまに躓く位だ。



花乃……



どうか、雨を凌げる所に居てください…




足元に目を凝らしながら、歩いていると何がが目の端に引っ掛かった気がした。

もう一度そこまで視線を戻すと、微かに花乃の気を感じる。

足元を流れ下る雨水の川に、不自然な方向に転がっている石は、たぶん花乃が躓いたもの。



後は、微かな花乃の気を辿って走り出した。

途中で楓の気が混ざった所で、確信した。



洞穴。

この方向で、楓が一緒だったなら、あそこに向かった筈だ!




「花乃ーっ!!返事をしてください!」



辿り着いた洞穴の入り口で叫んだ。

どうか、ここに居てください……







「……那月さん……?」