花色の月


『花乃?どうかし……』


プツ


桜ちゃんには悪いと思ったけど、そのまま話を続ける気にもならなくて、電話を切ってしまった。

那月さんを追いかけようと思うのに、来ないでくれと言われたら立ち直れないような気がして……



涙が溢れて視界が歪んだ。

そのまま、ただ那月さんが消えた闇を見つめて立ち尽くしていた。



あたしの為に、辛いのを隠してあんな所まで着いてきてくれた那月さんに、あたしは何をしたの?

…最低。

いくら心の中で自分を責めても、那月さんには届かない。

分かっているに、足は前に進もうとしなくて、いつも那月さんから来てくれるのを待ってたんだと気が付いた。




ポツ……ザァァァ…………


急に降りだした雨は、立ち尽くすあたしをびしょ濡れにしていく。

どうするべきなのか、分かっているに……

那月さんの元に向かうのが怖い。

戸を開けてくれなかったら……?






じゃあ、このまま那月さんを失っても良いの?