花色の月


どうしよう……なんか話が脱線してるような気がするんだけど…



「花乃の眼鏡と似ている、と言えば似てますよね。私の場合は言葉で距離を取ってるんじゃないかって言われたら、否定は出来ません」



それじゃあ、あたしにも距離を作ってるって事だよね……

やっぱり聞くんじゃなかった……

ちょっとポジティブな気分になったからって、慣れない事をすると上手くいかないね。


何だかほっこりした気分だったのに、それを落として惨めな気持ちにしてしまったのは自分だ。


うつ向くと見える、画面の中で笑う数時間前の自分が、とても遠い人のような気がしてくる。



「花乃、なんか勘違いしてませんか?」


「…してません」


「絶対にしてますね。
ちゃんと聞いて下さいよ?私はけっこう短気で理性が飛びやすい人間なんです」


そうかなぁ?
あたしがどんな我が儘言ったって、怒られた事なんてないよ?



「この人の少ない車内なら、多少の破廉恥な行為は許されるんじゃないかって思うような自分もいる訳です」



は、破廉恥!?何をする気!?

ちょっと脇にずれると、しっかりまた那月さんの腕の中に捕まえられてしまった。



「例えば、です。
それに、花乃を見て可愛いだのタイプだの言ってる男共を、それだけでボコボコにしてやりたいなんて思う野蛮な人間です」



そんな声聞こえませんけど?幻聴?