花色の月


何だか楽しそうなお二人は部屋の隅に放置しておきましょうか。


「あの……えっと………」



なんてお呼びすればいいんでしょう?

あたしにとってお母さんは一人だけだ。

でも……



「久美子さんって呼んでくれる?おばちゃんじゃちょっと…ねぇ?」


フフフッと笑いながら、あたしが聞きたかった事を教えてくれる。

儚げだったお母さんとはだいぶタイプ違うけど、いい人そうだよね。

でも……お父さんってお婿さん体質なのかな?



「あっ、彼処で如月くんと遊んでる馬鹿息子は、克彦(かつひこ)って言うのよ?」


「克彦さん?」


「そっ、なんか克彦のがお父さんみたいな名前でしょ?」


確かに……克彦の息子が克也って言う方がしっくりくるかも。

そんなあたし達をニコニコと嬉しそうに見ているお父さんは、また涙ぐんでいる。

本当に泣き上戸なんだねぇ?



久しぶりにお父さんに会いに来たら、お兄さんまで出来てしまった。

ビックリし過ぎたせいで、あんまり取り乱さないで済んだかも…