「…ねぇ、明美ちゃん。あたしと桜ちゃんって似てる?」
「似てるやろ。見掛けは言わずと知れた事やけど、意地っ張りで頑固で泣き虫で甘えたで頑張り屋さんな所とかそっくりや!」
「……明美ちゃん、めちゃくちゃ貶されてる気分なんですけど」
「そんなことないやろ、ちゃんと誉めとる!」
…最後だけね。
まぁ兎に角、明美ちゃんから見たあたしと桜ちゃんはそんな風に映ってる訳ね。
よーく分かりました。
「そんで、甘えたな癖に甘えんのが下手なんが、いじらしくて堪らんのやろうなぁ。十夢や如月さんは」
「なんか…恥ずかしいのでその辺で……」
あたしの顔を見て笑う明美ちゃんは、ふと思い出したようにまた口を開いた。
その前に、おばあ様が近くに居ないか確認することは怠らない。
だって、立ち話なんてしてるのが見つかったら、また怒られちゃうもんね。
「如月さんさぁ、あの見掛けやろ?十夢や桜介と一緒でここら辺では知らない人は居ないくらい有名人なんやって」
「ふ~ん…」
「でもな、如月さんの笑顔なんて見たことある奴はおらんだろうって、光が言ってたで?
学校も中高と一緒やったのに、ここに来て初めて如月さんの笑顔見たんやって。これは花乃の力やろ?」
釣り合わないとか、那月さんに頼ってばっかりとか助けられてばっかりって、いつも思ってるあたしに、明美ちゃんがくれたのはそんな背中を押してくれる言葉だった。
まぁ、知花さまと桜ちゃんの前では、多少なり笑顔を見せてた筈やけど。
あっ、移っちゃった…
