花色の月


「はぁ…」


なんかどっと疲れが…

何だか今の一瞬で、バキバキに肩が凝った気がする…

ため息を付きながら首を回していると、後ろで足音がした。

ヤバッ…おばあ様だったら、長いお説教タイムが待っている筈だ。


「ねぇ、藤の間ってどこ?」


「はい、直ぐにご案内致します…ね……」


「あら~?あなたどこかで会った気がするわ」


おばあ様じゃなかったと、ホッとしたのも束の間、目の前に立っているのは豊かな胸を強調するように帯を締めた、あの人だった。


「あっ!思い出したわ、如月くんと一緒にいたロリね?」


「…若女将の花乃と申します」



まさか、小野先輩の連れが那月さんと昔"関係" のあった人だなんて……世間って狭いわ。


「ふ~ん、そうやって着物着てると年相応には見えるわね、高校生でしょ?」


「…成人しています」


「うっそ!見えな~い!
でもどうやって、その体で如月くんたらしこんだの?」


「体で誘った訳じゃないですから」


「フフッ、心も繋がってるって言いたいの?
あの人の心の闇に踏み込んだの?」



馬鹿にしたような彼女の言葉に、カッと頭に血がのぼった。



「…何が、言いたいんですか」