花色の月


「那月さん…ありがとう」


「それが聞きたかったんです。
忘れないで下さいね、貴女以上に優先する事など私にはありませんから」



真剣な顔でそんな事を言われたら、こっちは赤面するより他無いですよ?



でも、いつもいつも与えられてるだけな気がして、それも嫌だから

意を決して那月さんの顔を見上げて、頬に軽くキスをした。



「か、花乃!?」


あたふたと慌てる那月さんなんて滅多に見られないね。良いもの見れたかな?


深呼吸をして少し落ち着いた那月さんが、つくづく残念そうにつぶやいた。


「花乃……男の趣味が悪かったんですね」


「ほんとに…痛感致しました」


顔を見合わせてフフッと笑う。

ちゃっかり、過去形で言ってる那月さんが可愛い。

えぇ、今は趣味悪くないですからね?



「どこが良かったんですか?」


「それがねぇ……いくら考えても思い出せないの」


「でも、花乃があの男の毒牙にかかったのかと思うと…殺意が沸きますね」


な、那月さん…殺気が出てますよ……?