花色の月


「花乃があんまり可愛いので、回りの不躾な視線の男達を皆地獄に送りたくなりますね」


「那月さん…言ってる事が物騒過ぎます」


こんな甘い表情で言うことでは無いでしょう?
でも、ちょっと焼きもち妬いてたから、そんな言葉も嬉しかったりする。

だって、視線を浴びてるのは那月さんの方だし…



二人で手を繋ぎながら、今度は服を探しに向かった。


「これなんかどうでしょう?」


「可愛すぎない…?」


那月さん持っているのは、ふんわりとレースが綺麗な白いワンピース。

……イメージ的には、瑠璃ちゃんに似合いそうな感じ?


「絶対に似合いますよ。試着してみて下さい」


「…はーい」


拒否権は無いんですね?

まぁ、淡いピンクとかじゃないからまだ大丈夫かな?


「まだですか?」


「…今出ます」


更衣室のカーテンをそっと捲って顔だけ覗かせた。

そんなに待たれていると、出て行きづらいんですけど…


「それでは見えませんよ?」


えぇいっ!?こうなったら自棄だ!

思いきってカーテンを全部開けると、那月さんの前に立った。





「わぁ~!彼女さんお似合いですぅ~!」