花色の月


「私は、山の中で陶器を焼くしか能がありません。
その上、人間関係もまともに作って来ませんでした。花乃に出逢うまでは、一夜の偽りの関係もありました……幻滅しますか?」


「でも、那月さんには知花さまも桜ちゃんもいるでしょう?あたしなんて…」


「あの二人が愛想を尽かさないでくれる事には、感謝しなければいけませんね。
花乃…それにそんな事を言ったら、明美さんが嘆きますよ?」


胸の奥がチクッとした。
ただ那月さんが明美ちゃんの名を口に出しただけなのに…


「フフッ、花乃可愛いですね」


「ぇ…?」


「妬いてくれたんでしょう?」


あたし…そんなに顔に出ていたの?
どうしよう、自分の感情が溢れて押さえる事が出来ないみたい…


「めんどくさいって…思った……?」

「いいえ?まったく思いませんでした。
素直に表情に出してくれる花乃が、可愛くてたまりません」


ま、真顔でそんな事言われたら、こっちは赤くなる以外何も出来ないじゃない。