花色の月


「なんなのさ、みんなして僕をのけ者して」


ブツブツ文句を言う桜介は、花乃ちゃんに構って貰おうと抱き付いて、あっさり逃げられたらしい。

…花乃ちゃんも強くなったよなぁ……


「ちょっと!十夢は知ってる訳?
みんながコソコソなんか企んでるの」


「さぁ?知らねぇなぁ?」


「まーったく!僕には風呂掃除すらさせてくれないんだよ?」


まぁ、それはみんな労ってんだと思うけどなぁ?

お前が生還してから、まだ大して経ってねぇんだから。


「十夢は十夢で、コソコソ花乃と話してるし…」


「ふぅん、見てたのかぁ?」


「別に…」


「そりゃ返事になってねぇぞ。
まぁ、内容は明かせねぇけどな?」


恨めしげにこちらを見る桜介の鼻を、軽く摘まんで笑って見せる。

…まぁ、もう少ししたら話してやるけどなぁ?
だが、この様子じゃ花乃ちゃんが煙草吸ってんのは見てねぇな。

拗ねてる桜介が可愛くて、そっと軽い口付けを落とした。


「十夢…」


「…なんだぁ?」


「まだお日様が高いんだけど…」


「嫌なら本気で抵抗しろ。
払い除ける位は出来るだろぉ?」


畳の上にゆっくりと押し倒すと、申し訳程度に抵抗していた桜介の手を掴む。

今度は、深く貪るように口内を味わうと、息が上がって上気した桜介の肌に舌を這わせた。