「あっ、知花さま…」
「なっちゃんには電話してきた。
…こりゃあヤベェなぁ……」
万歳三唱を始めたお客さまを、いつの間に戻ってきた明美ちゃんとおばあ様が落ち着けようと頑張っている。
でも、興奮しているのはお客さまだけじゃなくて、真ん中で音頭を取るのは武さんだ。
「武っ!」
お、おばあ様怖いです…
急にしゅんとなってしまった武さんを押し退けて、少し静かになったお客さまに、おばあ様がお礼を言っている。
いつも冷静なおばあ様の声が上擦っていて、それを聞いたら何だか涙がこぼれそうだ。
「夢…じゃねぇよな?」
「…ほっぺたつねってあげましょうか?」
「遠慮しておく。花乃ちゃんマジでつねりそうだもんなぁ…」
どうも心がフワフワしてしまうあたしと知花さまは、どうでもいい話をしながら桜ちゃんはいつ帰ってくるのかとソワソワした。
おばあ様みたいに、お客さまを落ち着けようなんて出来やしない。
だって、自分がこんなにテンション上がってしまっているんだから。
「良かったね~」
「桜介さん帰ってくるまで帰んない!」
「ちょっと、るぅちゃん……」
あたしの隣でピョンピョン跳ねているのは瑠璃ちゃんだ。
宥めている大澤さんも目をキラキラさせていて、桜ちゃんは愛されているのだと改めて嬉しくなった。
