そしてあたしは、瑠璃ちゃんにすっかりなつかれてしまった。
「花乃さ~ん!」
可愛い……妹欲しくなってきた。
思わずムギューっと抱き締めると、後ろから笑い声がした。
「あっ、大澤さん」
「可愛いでしょ~?」
「はい、あっ…明日帰るとき置いてってくれません?
モモの隣に座らせておきたいので…」
桜ちゃんの情報は入って来ないけれど、お店を閉め続ける事も出来ないと、瑠璃ちゃんと大澤さんは明日帰ってしまう。
「ダーメ、気持ちは分かるけどねぇ」
「モモもなついてるのに…」
「フフッ、可愛いからね~。
るぅちゃんはうちのマスコットなんだよ」
う~ん…元から甘めの顔が、瑠璃ちゃんといると激甘になるんだね。
笑顔でやんわりとだけれど、有無を言わさぬ強さで瑠璃ちゃんは大澤さんの腕の中に奪還されてしまった。
…残念、もう少しなでなでしたかったのに……
「ねぇ花乃さん、なっちゃんさんにあの後会ったのぉ?」
「いえ…」
「そっかぁ…」
今まで黙っていた瑠璃ちゃんが口を開くと、那月さんの変な呼び名が飛び出した。
那月さんには会いたいけれど、会いたくない。
今のところは桜ちゃんの事だけ考えていたいと、胸の痛みには目をつぶっていた。
…弱いとこ突かれちゃったなぁ……
「あの…ごめんなさい……」
「ぇ…?」
「あたし…花乃さんが寝てる時に、余計な事言っちゃったの……部外者があんな事言っちゃいけなかったのに…」
今にも泣き出しそうな瑠璃ちゃんは、ずっとそんな事を気に病んでいたんだね。
「気にしないで下さいね?
うやむやにしていたあたし達が悪いんですから」
あれ?っと言うように首を傾げる瑠璃ちゃんに、実はあの時起きていた事を伝えると、真っ赤になって更に謝ってきた。
…いいんだけどねぇ……曖昧にして逃げてたのはあたし達だもん。
那月さんは……
