花色の月


何だか左腕に心地よい重みが…?

ゆっくりと眠りから浮上して、まだぼんやりとした目で自分の左側を見た。


……お前かよっ!!



昨夜は、瑠璃を真ん中にして寝た筈だ。

なのに、今俺が腕枕しているのは……翔だ。

そして、翔は瑠璃を腕枕している。


どーせなら瑠璃を腕枕したかったんだけどなぁ?

桜介以外の男を、腕枕する趣味はねぇぞ?


いつも憎まれ口を叩いている癖に、こうやって寝ている時はあどけなくて、すぅすぅと可愛らしい寝息を立てている。

しかし……いつまでもこうやっては居たくねぇしな。
瑠璃なら起こすのに罪悪感も沸くが、翔なら沸かねぇなぁ?



人差し指を翔のおでこに近付けると、軽く弾いた。



「…っ!?」


「なぁんで、俺がお前を抱いて寝なきゃなんねぇんだぁ?」


「…ん?あぁ…道理で……固い枕だと思った~…」


そりゃあ俺の筋肉質な二の腕と、フカフカの羽毛枕じゃあ硬度は違うだろうよ。

翔は寝惚け眼を擦りながら、瑠璃をそっと枕の上に下ろすと、思いっきり伸びをした。


「ん~っ……おはよ~」


「はよ。さて一緒に風呂でも行くかぁ?」


「まぁ、るぅちゃんまだ起きないだろうし……行こっかなぁ~」


翔と風呂も久しぶりだな。