花色の月


「可愛いだろうなぁって純粋な好奇心かな?
何度も桜介の女装は見てる…し………」


し、しまった!?
花乃ちゃんには言わないって約束を……


「えぇっ!?桜ちゃんって女装する趣味が有るの?」


あぁ…桜介に怒られる……
どうやって怒りを沈めるかなぁ…

静かに怒り狂う桜介が頭の中に浮かんできて、目をパチクリしている花乃ちゃんを放置していた。

前に、言えない事をやっているって言っていた事を、言っちまったなぁ……



「女装…趣味があるの?」


「知りてぇかぁ?」


「何で上目線なの。言いなさい」


「…はい。
えっとなぁ……俺らの旅行って結構貧乏旅行だったんだよなぁ?」


「知らないし」


「だよなぁ…
路銀稼ぎに、桜介が歌うたって俺が適当に伴奏してってやってたんだよ。まぁ、男が歌うより、可愛い女の子が歌う方がチップを弾んで貰えるんだよなぁ」


嫌がる桜介を女装させて歌わせてたんだよなぁ……
あいつ声高いし、花乃ちゃん程じゃねぇけど普通に歌も上手いしな?


「知花さまの趣味…?」


「いやいや趣味じゃねぇよ!
桜介なら何着てようが構わねぇしな」


「……別にのろけは聞きたく無いんだけど。
て言うか、着てなくても構わないんでしょ」


まぁ、その通りだけどなぁ…
……なんか花乃ちゃんが冷てぇ…

あきれたように睨まれたけれど、本気じゃない事はよく分かる。

ただ分かんねぇのは、俺限定の花乃ちゃんが居るような気がするんだが…

自惚れるなと、なっちゃんに絞められそうだから言わないでおく。