花色の月


実際は違うけれど…
まぁ、要因の一つであるとは思う。


「何様のつもりよ!!」


「ここの次期女将として、話をしています」


「はぁ!?」


「これだけ時間が経っても、桜介の生存情報は入ってきません」



芝居であっても、こんな事を口にするのは気が引ける。
でも、那月さんが桜ちゃんは生きてるって言ってくれたから、だからあたしはそれを利用しようと思ったんだ。 



「何よ!桜介さまが居なくたって……」


「お気付きになりましたか?
桜介が帰ってこなかった場合、ここの相続権は私に渡ります。偽の婚約者等、なんの権限も無いのです」


たぶん……自信満々に聞こえるかしら?
そうであってほしい……法律なんてよく分からないんだもん…






「絵里、少々勝手をし過ぎたようだね」


不意に後ろから聞こえてきた声に驚いて振り返ると

そこには、いない筈の人が苦笑いを浮かべて立っていた。