花色の月


「なぁに笑ってんだぁ?」


「…内緒です」


首を傾げる知花さまの隣を通り抜けようとして……捕獲された。


「言うこと聞かねぇと、武さんに夜一人でお墓参りに行こうとしてたって告げ口するぞぉ?」


……それは嫌です。
武さんのお説教はけっこう長いんだもん。
その案が出てくるって事は、知花さまはさっきしっかり絞られたんだね?


「それにしても、花乃ちゃんはよく怪我するよなぁ」


結局恥ずかしながら、知花さまの背中におぶわれて山道を下る事になった。

それにしても、あたしが行きにあんなに転んだ道を、舗装された平地見たいに歩けるのはどんなスキルですか?


「…そんなでも無いですよ?」


「それだけ傷だらけでよく言うよ…」


「その火傷、ゆっくりですけど跡消えますよ」


最後の那月さんの言葉に、知花さまが驚いたように立ち止まった。


「それって…」

「本当かっ!?」


当のあたしより食い気味な質問に、那月さんは一歩後ろに下がったけれど、微笑んで言った。


「私が断言した事で、外れた事ってありますか?」


「ねぇ」


すっごい自信ですねぇ…
それにしても、無いって即答ですか。

でも、よかった。
傷は少ない方がいいに決まってる。