花色の月


「でも…過保護ですよね」 

「いやぁ…考えてみたら捻挫が完治してない人に、お墓参りを勧めてしまいましたし…」


歯切れ悪く言う那月さんは、珍しく十夢に怒られてしまいました、と項垂れた。


「だってなぁ、なっちゃんと違って花乃ちゃんなら必ず転ぶだろうし」


「…失礼な。まぁ、転びましたけど……」


だから、あなた達が後ろに居るのに気が付いたんだけど。


「すみません、痛みますか?
帰りはおぶって下りますね、十夢が」


「俺かよっ!」


「あっ、ちゃんとテーピングして来たから大丈夫ですよ?」



やっぱり知花さまと那月さんは仲良しだね。



「いえ、危険なんで十夢がおぶって下ります」


「…なんで俺?」


「だって、私は草履ですよ?滑ったら大変じゃないですか」


「あのぉ…」


あたし自力で帰れると思うんですけど…
ちょっとしか痛くないし。


「あぁ、やっぱり痛むんですね…すみません」


「よし、乗ろっかぁ」



落ち込んでる那月さんと、しゃがんで背中を向ける知花さま。

そう言えば……那月さん、前はあたしの事抱かえて山道スタスタ歩いてような?
やっぱりお兄さんみたいな知花さまに、那月さんでも甘えるんだね。