「えっと……
私が人嫌いで山に隠っている、偏屈な人間だって事は知っていますよね?」
「…知らないです。
あたしの知ってる那月さんは、そんな人じゃ無いですし…」
少しだけ知花さまから聞いたことはある。
でもそんな、人から聞いたことで判断したくなかった。
あたしの目の前にいる人は、
「…優しくて面倒見がよくて、でも…ちょっと意地悪で友達思いで…とても素敵な器を作る人……
それがあたしの知ってる、那月さんって人です」
言っててすっごく恥ずかしい。
なんだか……告白してるみたいじゃない?
「……だから、私はあなたが好きなんですね」
ポツリとこぼれた言葉は、たぶん恋の好きじゃないけれど、それでもあたしの胸を踊らせるには十分だった。
…那月さんって…天然のたらし?
「なんて言ったら良いんですかね…
私にとっては見えるものなんですけど、普通は見えないものが見えるんです」
なんかややこしくてすみませんと、呟くとあたしの反応を見るようにこちらを目をやった。
「えっと…幽霊とか?」
「まぁ、その手の方も見えますね。
あと、分かるんです……どんなに離れていても知っている人が亡くなったら必ず」
あぁ、だから桜ちゃんは生きてるって断言出来たんですね。
「ありがとうございます…」
「はい?」
「那月さんが、桜ちゃんは生きてるって教えて下さったから……あたしや知花さまは救われました」
今までに無いくらい不安そうに瞳を揺らす那月さんは、恐る恐るといった風に口を開いた。
