花色の月


自分から、近寄って来たくせに…


『なんか違った』

『もう少し笑えねぇ?』

『お前と居ても、つまんないんだよね』




緊張して、上手く話せなかっただけなのに…


『偉そう』

『なにお高く止まってんのよ』

『男にモテるから、女友達なんていらないのよね?』



一番欲しかったのは、他愛もない事で笑い合える女友達。


この村を離れたら、何か変わるのかと思った。


都会に出て、髪を黒く染める事を止めてみた。
眼鏡を外してみるのは流石に怖くて出来なかったけれど、慣れないながらメイクなんかもしてみた。

…でも、結果は……なにも変わらなかった。



見かけをいくら変えたって、中身の暗さは変えられなくて…




いっそ……