想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

「き、木下サン……!

お姉ちゃん……あたし……ッ!!」


慌てるあたしにお姉ちゃんは……



「星来、行っといで。

海に伝えて?


……星来を幸せにしなきゃ、許さないって!」



そう言って、笑顔を見せた、お姉ちゃん。



あたしには分かる。



この笑顔は……



作り笑顔なんかじゃない。



心からの



笑顔だ。




「お姉ちゃん、ありがとう!

あたし……行って来るねっ!!」



あたしはそう言って、部屋を飛び出した。



運命を、動かすために。



さぁ、やっとスタートラインに立ったよ。