想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

そして……



お姉ちゃんが、顔を上げた。




「……ふぇっ……遠距離……?……っく……」



「ああ、そうだ。

そして……星来に出会って、心変わりしたんだ――。」



あたしがそっと顔を上げて


木下サンの顔を見ると……



木下サンは、優しさに溢れた表情で



あたしを見ていた。




「コイツは……亡くなった人を、忘れないでくれって、言ったんだ。

それで俺は……」


木下サンは、視線をお姉ちゃんに戻す。


「俺はお前と、ちゃんと別れようって思ったんだ。」


お姉ちゃんは、また俯いた。



きっと、涙のせいで何も喋れないんだ。



そんなお姉ちゃんを余所に、木下サンは話し続ける。