想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

木下サンの言葉を聞いたお姉ちゃんは


俯いてしまった。



お姉ちゃんの膝には……



パタパタと涙が落ちる。




「ごめんな、実来。

俺は……コイツの傍に居たいんだ。」



木下サンがそう言うと


お姉ちゃんは、俯いたまま、口を開いた。



「どうして……あたしじゃ無いの?

あたし、2年間ずっと海だけを想って来た。

ずっと……あなたを支えたくて

亡くなった彼女を……

忘れさせてあげたくて……

必死だったのに……!!」



そう言ったお姉ちゃんは


泣き崩れた。





木下サンは、そんなお姉ちゃんに近付いて…



無理矢理、抱き起こした。


それでもお姉ちゃんは、


顔を俯かせたまま、泣いていた。





「実来、聞いてくれ……!
俺はな……」