想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

神崎様は、事前に決めて有った志保様の友人達に、キャンドルを渡していく。


普通より、長〜いろうそく。


その様子を見て居ると……


神崎様が、隅っこに居るあたしの方に


ずんずん向かってくる。



??



どしたんだろ?



何か問題発生!?




慌てるあたしの前に来ると……



目の前に差し出された、



1本のキャンドル。



「へ!?」


神崎様の行動に理解出来ず、相変わらずあたふたするあたし。



「28本目、お願いします。」


神崎様はそう言って、無理やりあたしの手にキャンドルを収めた。



う……そ……。


そんな、大事な役……



「そ、そんな……出来ません!もっと、親しいご友人に……!」



今度は、あたしがキャンドルを神崎様に差し出した。


「お願いします。僕達にとって、木村さんは……特別な存在です。

志保も喜びます。」



神崎様は、ニコッって笑った。



パッっと隣に居る北川サンを見ると……



同じくニコッって笑って、頷いた。



あたしでいいの……?



「じ、じゃあ、すみません、やらせて頂きます。」



あたしはキャンドルをキュッっと握りしめた。