想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

『この後すぐに、披露宴となります。皆様、どうぞ披露宴会場へとお進みください。』



女性のアナウンスが入り、ぞろぞろとゲストが建物の中に戻る。



あたし達は、一番最後にゆっくりと行く。



あたし達は、社名と自分達の名前が書かれている名札を、首から下げている。



あくまでも、仕事の一環で来ている。


こういう場で、結婚予定のある方から声を掛けられる事もある。


北川サンは、“ある意味、営業でもあるのよ”って。


まぁ、確かに。


だから、ひっそりと……でもシャキッっと見守って居なきゃいけないんだ。