想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

――次の日。



海のアパートの前。


ドキドキしながら階段を上る。


もし……


海が居たら……


きっとあたし、動揺を隠せない。



頭の中で、どうしようって言葉がグルグル回ってる。




部屋の前に着き、中の雰囲気に耳を傾ける。


何も聞こえない。


きっと海が居ても、何も聞こえないよね。



ふぅ――――……。



大きな呼吸を一つしてから、インターホンのボタンに手を伸ばした。



はは……



あたしの指先


震えてる……。



自分に苦笑いし……


キュッっと目を瞑って、ボタンを押した。