「お姉ちゃんの手は……お前もさっき、聞いたと思うけど、……切断する事になったんだ。」


お金の事でホッとしたのも束の間、改めて聞く、事実。


「もう、お姉ちゃんの手……使えないの?」


「……神経が、複雑に切れてるらしくな。手術ではとうにもならなかったんだ。……放っておけば、どんどん切断しなければいけない部分が、増える一方なんだと……。」 


切断は、早ければ早い程良いって事?


どうしても切断しなきゃならないって事……? 


「その後の事は……これから考える。みんなでな。

今は義手もかなり高精度になってるらしいしな。」


「ぎ……しゅ?」


「そうだ。義足は、知ってるよな?その、手のバージョンなんだよ。」


やっぱり有るんだ……。


でも……


それが有ったって……


お姉ちゃんの辛さは、無くならないよね?



「さ、行こう。実来が待ってるぞ?」


「う……ん……。」


ちゃんと謝らなきゃ。


許される事じゃ、無いけど……


ちゃんと、向き合わなきゃいけないんだ。