想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

あたしは、向かう宛ても無く、ひたすら走った。


涙をなびかせて……







「っはぁ……」


息が切れ、立ち止まったその場所は、病院の駐輪場だった。


建物の、裏側。




あたしは、どうすればいいの?  


お姉ちゃんの人生は、この先どうなるの?



小学生のあたしには、手が無くなると聞いただけでは、1つも先が読めない。


足を切断した人が、代わりに装着する義足という物があるのは、知ってる。


手のやつもある?


これからお金だってたくさん掛かるよね?


あたしは、どう償えばいい?



あたしが……



あたしだったら、良かったのに……


本当なら、あたしが負うはずだったのに……。



あたしは、ただ泣く事しか、出来なかった。