想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

無くなる……?



目の前が真っ暗になった。


どういう事……?


手が……無くなる?


ウソだよ……。


だって……


さっきまで……


あんな平然と、してたじゃん……。





――ガコンッ 


手の力が抜け、持っていた缶を、落としてしまった。


――カチャ。


「星来!!」


ドアが開き、お父さんが、あたしの姿に驚いた。


その向こうに見えるのは……


顔をグシャグシャにして泣き崩れる、お姉ちゃん。


「あ……あたしが……ごめんなさ……」


あたしは、涙のせいで上手く喋れず……


その場を走り去った。