想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

「どお?」


しばらくして、お母さん達が戻ってきた。


「大丈夫だよ。」


相変わらずお姉ちゃんは、平然としてた。


「星来、ちょっとみんなの飲み物買って来て?」


お母さんは、そう言ってあたしに千円札を渡した。


「……うん。」



――パタン



自販機、どこにあるんだろう……


あたしは部屋を出て、とりあえず一階に降りた。




あ、有った。


意外にもすんなり自販機を見つけた。


「えっと……」



あたしは、お茶とジュースを2つずつ買った。


そして、四本の缶を両腕で抱えた。


「冷た……」 


空調が整っている院内は、外とは正反対に、心地良い。


早く戻らなきゃ……冷たすぎて、腕が痛い。


あたしは足早にエレベーターへ乗り込んだ。


お姉ちゃんの病室は四階。


――チン



あ……


エレベーターを降り、部屋の前に着いたものの、ドアが開けられない。


開けてもらうため、声を掛けようとした、その時……