想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

「お姉ちゃん……っ。あたしは、全然平気……だよ?お姉ちゃん……ケガした所、痛く……無い?」


「ケガ?ん……案外平気みたい。」


お姉ちゃんは、そう言って優しく微笑んだ……。




――コンコンッ


「はい……。」


突然のノックにお父さんが、返事をした。


「失礼します。娘さん、気が付きましたか?」


そう言いながら入って来たのは、中年の看護師サン。


「あ、はい。」


今度はお母さんが返事をした。


「脈、採りますね。」


看護師サンはそう言って、お姉ちゃんの右手首を持った。





しばらくして、手を離した看護師サンは……


「先生からご両親にお話しがあるとの事なので、ご一緒によろしいですか?」


お話し……

何だか、嫌な予感……。


「じゃ、ちょっと行って来るわね。星来、頼むわね。」



「……うん。」