想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

――コンコンッ


自分が寝ていた病室を出て、お父さんの後ろを付いて歩いて来た場所。


個室になっている、お姉ちゃんの病室。


「どうぞ。」


お父さんのノックに答える、お母さんの声。


あたしの心臓は、破裂しそうな程バクバク言っている。


どれ程のケガなのか……


見るのが怖いけど、しっかり見なきゃ。


「あら、星来。気が付いたのね。」


「お母さん……ごめ……なさ……」


止まっていたはずの涙が、また現れた。


「実来、まだ眠ってるわ。」


「う……ん。」


あたしは、お姉ちゃんの眠るベッドに近づいた。


ただ、眠ってるだけの様に見える……


でも、ケガをしたのは手と言ってた。


その手は、布団の中。


「お姉ちゃん、ごめんなさい……お姉ちゃん……」


あたしは、ベッドの脇に膝まづいて、言った。


その時……