想われたくて…‐姉と私とあの人と‐

ん……?


薬の……匂い?


うっすらと目を開ける。


白い天井に、蛍光灯。


ここは……?






――ハッ!!


「お姉ちゃん!?」


あたしは、怠けの残る体を、無理やり起こした。


「気が付いたか?」


お父さんが、あたしの頭に触れた。


「あれ?お父さん……?あたし……」


あたしの居場所は、病院のベッドだった。


「気を失ったんだよ……。」


え?


「お、お父さん!お姉ちゃんは!?」


あたしは、キョロキョロと辺りを見回した。


「他の病室だよ。手をケガしちゃってな……。お母さんが付いてるよ。」


「お父さん……どうしよう……あたし……あたしが……ッッ!」


あたしは、お父さんの胸元を掴み、泣き出してしまった。


「大丈夫だよ。気にするな……。」


お父さんは、あたしの頭を撫でてくれた。


「お姉ちゃんに、会いたい……。」





お父さんは、少し考えたようにした後、言った。


「……そうか。わかった。」