「…うっ」 頭が重い。 「起きたか?」 シャッとカーテンの開く音がして人が近づいて来る気配がする。 「悠、斗…?」 今の状況がわからず記憶を手繰り寄せる。 えっと、料理をして、萌が怒られて外で看板を作ることになって、作業を進めて…そうしたら視界が揺らいで、そっか、あたし…。 「倒れた、んだ」 「吉野の奴が慌てて俺のところに来たよ」 「そっか。ここ、保健室?」 「あぁ、熱中症だとさ。あんま心配掛けさせんな」