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「リィチィ暑いよぉ。もう疲れたよぉ。やりたくないよぉ」

「萌、それ言うのもう何度目?」

あたし達は今片手に刷毛を持って看板の色塗り作業中。

「だってぇ、もう1時間ぐらい休憩なしでやってるんだよぉ」

「色変えるごとに乾かしながらやらないと汚くなるから仕方ないじゃん。それに、萌がつまみ食いしたから看板作りすることになったんだからね?あたしからすれば正直いいとばっちりだよ、全く」

「うぅ゛…、ごめんってぇ」

文句をブツブツ言う萌だけど、自分が悪かったとは思うみたいで、作業の方はちゃんとやってる。

萌って真面目に作業すれば人よりも上手く動けるのに、なかなかスイッチが入らないのがねぇ…。