詩織、元カノ。癒す。


その言葉があたしの頭の中をグルグル回ってる。爆弾を落として去って行った彼女。


なんだ。矢野はあたしを好きじゃないんだよ。元カノに似てるから重ねて見てただけ。


だって彼女に否定すらしてくれなかった。




「しぃ・・・ごめん。その・・・」




「あーっもう早く愛衣たちを探そう!」




それだけ言って歩き始める。矢野からあの子の話なんて聞きたくない。


本当ならここから立ち去りたいけどこいつがついてくるし。



とりあえず一切顔は見ない。
矢野も気まずいからか話しかけてこないし。