あたしの右手薬指には小さな石が付いたピンクゴールドの指輪が輝いていた。



思わず矢野の顔を見ると真剣な眼差しであたしを見てる。恥ずかしい。


あたしを見ないでよ。
視線を逸らすと両手で顔を包まれる。


あかん!あかんって!絶対にあたしの顔、リンゴみたいに真っ赤に決まってる。心臓バクバク言ってるし、お腹が熱い。



「・・・その顔、他の誰にも見せんな」



一つの傘の中、重なったクチビル。




矢野の独占欲が嬉しくて玄関先だという事も忘れて、見ている人がいるということにも気づかずにただ、ドキドキしていた。