外は小雨が降っていて余計に気分が乗らない。




それでも行かない選択肢はないわけでせめてもとお気に入りのオレンジの傘を手にする。


この傘は持ち手が少し変わったデザインで見た瞬間に即買いした。



「いってきまーす」



行ってらっしゃい。キッチンにいるお母さんがパタパタとやってきて見送ってくれた。


あー憂鬱やわ。行きたくない。




栗原くんに会いたくないとかそんなんじゃなくて矢野と気まずいままで行きたくない。