「矢野、真っ赤だよ。心臓もすごいドクドク言ってるし、必死になりすぎ」



「だって、しぃが俺のことめちゃくちゃ好きだって言ってくれたから。あーもう格好悪い、俺。余裕なさすぎ」



矢野が抱きしめる手を離して片手で顔を隠す。もう遅いんだから。あんたの真っ赤な顔いっぱい見上げたんだもん。避けたいのに恥ずかしいのに今は見ていたい。



「・・・矢野くん、とりあえず座りたまえ」



「えっ?いや無理。顔、見せられない」



「今ならあたし、避けないから。だから座ってよ」