☆SUKI SAKE☆

「譲、愛衣の代わりに・・・一発殴らせて」



「言うと思った。覚悟はしてある」



だったら遠慮なくやらせてもらう。気が済まないからね。


立ち上がって大きく左手を振りかざし、譲の頬をパチンと音を立てて思いっきり打った。


洸がアワアワしてるけど知らない。
譲が悪いんだ。譲が悪い!



「って。でも、打ってもらって良かった。余計に愛衣を、愛衣だけを大事にしようって思ったよ。で俺の話を聞いてお前は樹を許す気になったか?」



ちょっと気は晴れた。


だけどやっぱり聞いてしまった以上は譲にイライラはするけど愛衣のために我慢する。愛衣のためにもうこの話はここで聞かなかったことにする。



でも、それとこれとは話が違う。



そう言いたいのに愛衣の気持ちや思いを考えればあたしのことなんてすごくちっぽけで下らないことに思える。