彼はメンバーの中で一番ほっそりしているけれど、身長は175以上はあると思う。
そして身長155センチという女子の標準身長な私だけど、相手の動きを読むのも、封じるのもお手の物だ。
「待ちなさい、ちゃんと傷は治さないと、あとが残ったらどうするの!? 顔しか取り柄がないんだよ!」
「おまっ、いちいちむかつくな!」
「ムカつかれても結構ですー! これが私の仕事なんですー!」
わーわーきゃーきゃー言いながら真生を後ろから羽交い絞めにし、消毒液を頬にかけていると、ガチャリとドアが開き、弓削兄弟と有田さんが楽屋に入ってきた。
「あれ、もしかしてお邪魔だった?」
「「全然!」」
意識せず、二人の声がハモる。
慌てて距離をとったけれど、ふくれっ面の真生を見ると、なんだか妙にソワソワしてしまった。
変なの!
