しんと静かな楽屋に真生と二人。
なんだか気まずい……。
っていうか、お前もなにかしゃべれ!
そう思いつつ、相変わらず無口を貫いている真生を見つめる。
本当に、彼は横顔が美しい。
反り返った長くて黒いまつ毛が、頬に影を落とす。
もちろん正面も美しいけれど、横顔というのはなんともアンニュイで、つい見とれてしまう。
(美しかったり可愛かったりする人が私は無条件で大好きだ!)
ていうかライブ中に喧嘩するって……こんな天使みたいな顔をしてるのに、案外気が短いんだな……。
見れば真珠のような美しく滑らかな頬に血がにじんでいる。
顔だけはいいのに、これはよくない。
「消毒したほうがいいよ、それ」
「――いい、別に」
